face on

あぅー

藤井理乃『ロコ・モーション』1

 ロコという子がモコちゃん大好きで同じ職場に就いてせいちょうとかごはんたべたりとかするお話し。なのですが、ロコはモコちゃん大好きでアホだから、自分の追試の日に伊勢に成績優秀なモコちゃんの就職祈願に行くのですね。だもんで当然ロコは留年して、モコちゃん怒って、でもロコはモコちゃんと同じ就職先を希望して、追いかけて行くから!みたいなのが3話までで記されます。炸裂!って感じ。
 それで、こういうのをさらっと流してくれるのかな、と思いきやそうでもなく、全然そうでもなく、むしろロコとモコちゃんの馴れ初めみたいなのを最後のほうでやっと出してきたり、いやモコちゃんのほうがロコのことちょう大好きでした!とかやるんですが、そのやっと出てきた馴れ初めを見て二人の距離感がやっと把握できるわけで、うーんと、厳密に言えば把握していたはずの距離感を視認する、と言いますか、とにかくそういう構成になっておる作品に俺は滅法弱い。夏色キセキがまさにそれです。四人である、ということは頑なに譲らず、しかし何故四人なのか、二人+二人ではないのか、という疑問を他所に話は進んで行き、気付けばああ、確かに四人でした、というような。ロコとモコが友達になったところを確認したところで完了ではないということも諒解しながら私、この二人の二人性をそこでやっと垣間見れたわけでございます。これをして「低音が聞こてきた」などと言ったりします。それまでもちゃんと鳴っていて、鳴っていることも知ってはいたし隠されてもおらず、しかしその音は届かず、耳が慣れたのかなんなのか唐突に聞こえてくる低音。その瞬間曲全体の一つ一つの音の粒が再構成されて送られてくる。
 俺はこの、何がなんなのかわからないが確信できている感覚は好きで、だからこの後がどうかなーと思ったりもします。

 とりあえず13話扉絵の脱いだロコは必見。えろい。でもやっぱりモコちゃんが好きです。おわり。