face on

あぅー

タチ『桜Trick』

 セックス漫画でした。これはひどい。

 きらら系、というのか、女の子ばかりの(4コマ)漫画は何冊も読んでいるのですが、如何せん何者かによる制約のようなものを感じたりする。いやそりゃー制約はあるだろうはずなのですが、とりあえずどんなものかといえばよう分からん男が唐突に話に絡んで、かと言って恋愛に発展するでもなくえーと男性読者の視点とでもなるかのようになんか変態っぽくしてる、とか。胸くそ悪いことは忘れよう主義なので、タイトル覚えてませんが。あるいは、女の子同士の関係にしたってこれはもっと尺取りたかったろうに、というのもまあそう。で、そこでそういうのを描き入れつつ上手いことやってくれればいいのだけれど、すなわちそれが俺にとっては制約に見えてしまって、どうにもブレーキがかかる。だから多くのそういう漫画は、百合も冊数出るようになったなあなんて思いながら一回読んで終わり、くらいのものであって、『ちゅうに!』を越えるものは未だ無い。

 また、よくわからない、ということがよくあって、そして良くあるものです。『ちゅうに!』もやはりよくわからないわけですが、俺の見てきたそれ系の漫画は、一個二個コレってものがあって、それ以外をコマ間の空白に葬り去っていたように見える。だから厳密に言えば、よくわからないけど、それね。ということである。(厳密……?) 『ちゅうに!』は、それね。の部分がちょっと、いやだいぶおセンチで俺の胸がケツから飛び出そうになるのでやっぱり特殊。それはさておき。

 『桜Trick』は、よくわからないけど、キスです。よくわからないのにキスだから、セックス漫画です。何言ってんだと思われるでしょうが、表紙もそうだけど、ほら、一回捲ってみなさい。ね?ひどいでしょう。これはセックス。(うるせえ)

 しかしキスもセックスも良し悪しなので良し悪しなりの配慮があるところは良い。キスのとき、空気がちゃんと重くなるのがそれかと見ます。例えば、キスしながら勉強すれば覚えたこと忘れないと思う、というあってはならない提案を飲みそういうことをするシーンがあるのですが、55ページの勉強しながらのキスと56ページの「ありがと」のキスの差がそれです。テーマ……テーマ? テーマであるキスをあまり軽くするのは利口ではない。とはいえ回数は必要。逆に重くし過ぎるとセックスである。よってギャグとして使いつつもキュンとなるところを用意、とゆーよーな。でまあ、それが成功しているかというと失敗で、正に性交してしまっているという話が最初の制約の話に繋がります。えー、なんと言いましょうか。描いてて凄く楽しそう、と勝手に思います。だから筆がノって、やたらにキスがそれらしく見える。から、セックス。これ、俺の見方の問題ですか。(そうです) でも79ページとかさー絶対やりすぎやと思うんよー。そのへんのブレーキの甘さが好きです。制約というと登場人物が増えてテンポをさらに速くする、とかもまあ、そんな話だと考えるものですがこれは大体このテの漫画はこうなので普通。増やさないでいければ割と豪腕。その点やはり『ちゅうに!』は良かった……。

 ちなみに、その増えた登場人物ことお姉ちゃんは好きです。よくあるダメな人で。恋を恋だと知らぬまま恋に恋してその後ちゃんと恋しながらもやっぱり恋なんて知らない、とかいうと示唆的にも思える。言い方の問題。かわいいです、お姉ちゃん。

 あとは36ページの二本目が好き。優が春香のふとももつねるとこ。ふとももつねってますからね。優、小さいからできるしね。春香もやっぱりスカート短くしてんだね、とかそーゆーの。なにせふとももだし。