face on

あぅー

しおやてるこ『レモネード』

 クロノくんの名台詞、「こんなはずじゃないことばっかりだよ!」みたいな。迷いながら、あるいは分かっていながら、分かっているフリをしながら生き始めたところで、だからやたらと振り返ってしまう。無理して笑ってみる、なんてのとかその行為に酔ってみるとか。諦めや開き直りと言うとちょっとアレで、別の道を見つけたと言うほうがきっと良い。ある感情を抱いたまま生きていこう、という決断も多分同じ。と思いたい。

 甘酸っぱい物語、は、酸っぱいだけのことが多い。これがきっと甘さなのだろう、というのは甘さの実感ではなくて、成分表を見て知るようなもん。この作品も概ねそうで、その自覚があったのか、最後はなんかそれっぽくなってた。でも甘酸っぱいってそうじゃないよね?とは思う。酸っぱいだけのほうがつまり、甘酸っぱい物語であるわけです。

 最後の甘さが蛇足であったかと言えば、それでも「そんなことはない」と言えるくらいには良い感じです。登場人物がなんか色々考えてる(前段)のが緻密に描写されているので、行間に一貫性がある。なので最後だけアレであっても、そんな風には読める。
 ちなみにフキダシ外はちょっと喋りすぎかも知れない。あとはまあそんあ感じであるので、隙が無いってこーゆーのを言うんだなあなんて思ったりも。


 それで、お姉ちゃんは妹だいすきで東京に行っても妹に似た子を口説いてはポイ捨ての日々なんでしょうか。ああ、やっぱりそうですか。あとピカリとナオミは爛れすぎだと思いませんか。俺は思います。