face on

あぅー

たまゆら ~もあぐれっしぶ~ 11話

 時の流れについて。
 どうしよもなく流れていくそれについて、どうしようもなく流されて、どこに行くのかなんて分かるはずもなく、行き着く先の想像なんて以ての外で、要するに、流れていくことについての拒絶があって、ただそのことは、そう恐れることでも悲しむことでもないと仄かに知りながら。
 だから否定も肯定もできずに、あるいは否定も肯定もしながら。


 というような表情は、はっきり言ってかなえ先輩からは見て取ることができなかった。
 それでも、その思いが伝わるのは、かなえ先輩に少しだけ似たぽっての写真。
 光が少ないからボケた、と画面上は言いながら、その、かなえ先輩の思いに、あるいは時の流れのことについて、少しだけ思うところのある、感じたことのある、いや、今まさに感じているぽっての撮った写真だから、「かなえ先輩の分も撮ります」と言って撮ったぽっての写真は、少しボケている。そう思った。